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十七日目

自、時、室、弱、首、頸、秋、吉、周、週

自

時

むかしはメモなどに下図のような形を書く人が結構いた。「口＋寸」だろう。略字だろうと思っていたら、略字は略字かもしれないけれども歴史は古く、下図は王羲之を参考にして書いたものである。

下図の形は、「日＋寺」。蘇軾を参考にした。

室

かんむりの下は、「一＋ム＋土」ではなく、「フ＋王＋丶」だと思うと理解できる。ムの最終画は最後に書かれるわけだ。

弱

首

上図は東晋の王献之を参考にした。

下図は、書道字典に「西域出土文字」とあったものだが、上図の形にかなり近い。

ところで、漢和字典をみると「首」に neck の意味はない。頭 capital の意味である。（首をハネるというのは、英語でいうと decapitate するのである。）neck の意味では、当用・常用漢字が定められる以前のものでは、日本の印刷物にも「頸」をよく見かける。今でも、neck のことを「頸部」と言う。常用漢字の威力が草書には及ばないとすると、neck の意味では「頸」を使うべきかもしれない。

ちなみに、馘首（to be fired）の「馘」は、漢和字典では「みみきる」であり、「軍功を得るため、敵を殺して左耳を切り取る」（「全訳漢辞海」）とある。中国で馘首という言い方をしたのかどうか私は知らないが、同辞書によると、馘首を解雇の意味で使うのは、日本の用法だそうだ。

頸

小学校で習わないし、常用漢字ではない。意味については、「首」参照。頚は異体字。

上図は「草書韻會」を参考にしたが、この形は、「経」にかんする下図を見ると理解できる。下図右が唐の時代の楷書の形。

秋

［シウ］

下図は王羲之の形を参考にした。

「火」参照。

吉

吉は小学校では習わない漢字。下図は王羲之を参考とした。

下図は、唐の時代の楷書を参考にしたもの。「士＋口」も「土＋口」も同じ字種だが、後者のほうが伝統的。

周

［シウ］

「周」は四年生の漢字。「週」は二年生の漢字。

週

［シウ］

書道字典には、「週」という字が載っていない。康煕字典を引いてみると、玉篇の引用として「周と同じ」とある。漢和辞典を引いても、「周」はいくらでも用例が載っているが、「週」はほとんど用例が載っていない。「週」という文字にどういう歴史があって、現在のように多用されるに至ったのかはわからないが、ここではとりあえず、前項の形に「しんにょう」をつけてみる。

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